【 オフィシャルインタビュー公開!! 】

——今回は改めて、アーティストとしての音楽的背景をお伺いしたいと思います。

僕は地元が離島の式根島なので、インターネットを使う習慣が全くなかったんですね。だから、小さい頃は流行りのものも全然わからないですし、音楽に関しては、両親が聴いていた音楽を間接的に聴いているという感じでしたね。だから、音楽は昔から好きだったんですけど、自分のルーツと言えるほどのものはなくて。その後、式根島には高校がないので、高校進学と同時に本島に出て、インターネットを使えるようになってから、SNSや動画サイトを通して、いろんな音楽を耳にするようになりました。ただ、その段階では音楽を聴くことは大好きだったんですけど、まだ歌うことは嫌いだったんです。


——どうして歌うことが嫌いだったんですか。

自分の声に全く自信がなかったんです。だから、歌う時には恥ずかしさが勝ってしまって。高校生はカラオケによく行くと思うんですけど、僕はできるだけ行かなかったんですよね。仕方なく行った時でも、毎回、自分はだめだなと思っていて。周りはそんなことないよって言ってくれるんですけど、完璧主義なところがあったので、歌うなら上手くないと嫌だと思っていたんです。だから、式根島に帰省した時に、砂浜で夜中に大声で歌うようになって。


——どうしてそこまでしたんですかね。

歌に自信がないというコンプレックスを抱えている自分がコンプレックスだったんですよ。そんなコンプレックス程度であれば、自分の努力次第でなんとかなるんじゃないかなと思って。じゃあ、歌を上手くなってやろうと思って、しばらくは、一人で夜の海に向かってひたすら歌い続けるっていう練習をしてましたね。


——どんな曲を歌ってましたか。

自分の好きな曲をひたすら歌ってました。練習を重ねていくにつれて、それまで歌えなかった曲が歌えるようになって、段々と自信がつくようになってきて。そこで、自分の歌を評価してもらいたくなったというか。いろんな人に聴いてもらいたいなと思うようになって。YouTubeにカバー動画を投稿するようになりました。


——反響が大きかったんじゃないですか。

自分が思ってる何十倍もの評価をいただきましたね。それは、僕にとって、人生のターニングポイントになったと思います。
自信がなかったものを練習して、いろんな方にありがたい評価をいただけるようになった。今でも忘れられないくらい、嬉しかったですね。もっと自信持っていいんだなって思わせてくれた瞬間でしたね。


——そこでもう、将来は歌手になろうと思ってましたか。

いや、歌でやっていこうとは思ってなかったですね。僕は高校生時代にいろんな動画をSNSにあげて。フォロワーもどんどん増えていったんですけど、このまま有名になろうとは思ってなくて。ただ、趣味でやっていたものがたまたまいろんな人の目にとまっただけだから、飽きられちゃうのも時間の問題だろうなと思ってて。


——そこは冷静ですよね。高校生なんだから、調子に乗ってもいいのに。

あはははは。そうですね。でも、急上昇するものは、必ず急降下すると思ってました。僕の場合は、俗に言う「バズる」っていうことが嬉しくもあり怖くもありました。流行るものって、いつかは飽きてしまうものじゃないですか。上がった波が下がっていく現象が起きるから。


——そういう考え方は小さい頃からですか?

僕が生きる上で大事にしているのは、「どれだけ自分を客観視できるか」ということなんです。それは小学生の頃からずっと考えてましたね。いかに自分の言動を俯瞰的に、冷静に見られるかっていうことをずっとやってきて。大自然の中で育ったせいかもしれないんですけど、気がついた時にはそういう性格になってました。こういう生き方が一番効率的なのかなって勝手に思ってるし、動画投稿だけじゃなく、勉強にもスポーツにも全部、当てはまると思ってて。例えば、僕はサッカーをやってたんですけど、自分のところにパスが回ってきて、トラップした段階で、一旦、自分を客観的に見ると、頭の中にコート全面が映し出される。どの場所に味方がいて、どの場所に敵がいて、どこにパスを通せばゴールできるって一瞬でわかるじゃないですか。


——いや、凡人はわかんないです(笑)。

あはははは。あくまでイメージなんですけど、規模の大きい視点で物事を考えるのが楽しくて。だから、動画が伸びた後も、先のことまで考えちゃったんですね。支えてくれるスタッフさんや応援してくださる方のためにも、マイナス方向ではなく、プラスの客観視を持ってこないといけない。動画投稿であれば、自分が今、どういう動画を作ればみんなが喜んでくれるのか。どういう時間帯に投稿すればみんなが見やすいのか。そういう細かいことを客観的に見て、客観的に動画を作って、客観的に配信していくっていう感じでしたね。


——カバー曲を歌うだけでなく、オリジナル曲を制作し、やがて作詞作曲も行うようになりました。

 

カバーを投稿していた頃から、いつか自分でオリジナル曲を作りたいなと思っていたんですけど、Google検索に<音楽作り方>って検索してしまうくらいのド素人だったんですよ。だから、メジャーデビューさせていただいたときも、僕が書いた曲を収録する予定は一切なかったんですね。他のアーティストさんに楽曲提供をお願いして、僕が歌うというアルバムになる予定だったんですけど、表題曲がずっと決まらなくて。そんな時に、音楽面でお世話になっている方が重い病にかかって入院してしまって。命に関わるような病気だったんですけど、「入院なんてしてられるか!」って病院から抜け出してきちゃったりもして(笑)。その姿を見たときに、こんなに自分に一生懸命になってくれる人がいるんだなと思って。そこで、勢いに任せて、「僕が書きます!」って言っちゃったんですよね。そしたら、「じゃあ、頼んだぞ」って言われて。


——ドラマのようですね。

 僕は、その「頼んだぞ」が本気に聞こえたので、生まれて初めて、3日間ほぼ寝ないで作業をしてて。自分のインスピレーションやフィーリングに任せて、とにかくメロディを作って、それをひたすら提出してて。でも、音楽に厳しい方だったので、ダメ出しの嵐だったんですね。ひたすら考え続けてたら、もしかしたら化けるかもしれないというメロディが1つだけあって。そのメロディを基にしてできたのが、タイトル曲になった「スターランド」なんです。僕が式根島を思いながら書いた曲がどうにか形になって、その方に聴かせたら、それから元気を取り戻してくれたんですよ。音楽の力ってすごいなって思いましたね。


——初めて作詞作曲した「スターランド」が収録されたミニアルバムでメジャーデビューし、1年後には武道館でのワンマンライブも実現しました。

どうせ音楽をやるなら、目標を掲げて、それに向かって頑張っていこうと思って。最初に設定した目標が、武道館でライブをするってことだったんです。とんとん拍子で武道館にいけちゃったように見えるかもしれないんですけど、自分的にはそんなことはなくて。イメージ的には、10年間分の体験を1年間にぎゅっと凝縮した感じだったんですね。それくらい、嬉しいこともあったし、辛いこともあったし。全てが詰め込まれた濃い1年間だったので、期間的には短い方だと思うんですけど、自分的にはやっと来られたかっていう感じでしたね。


——そこで燃え尽きなかったですか?

かなり燃え尽きました(笑)。周りのスタッフさんも含めて、みんなで1年間、本当に頑張っていたので、僕は武道館が終わった後は、完全に屍状態になっていました(笑)。


——次の目標を設定しましたか。

武道館を終えてからは、武道館よりも大きなステージでライブをしたいっていうのが、とりあえずの夢ですね。でも、その夢もあくまでも通過点で、最終目標でもない。武道館の経験も活かして、もっと大きな会場でライブをしたいなって思ってますね。


——音楽活動の最終目標はありますか。

最終目標を考えてしまうと、クリエイティヴになれない部分が出てきてしまうのかなって思っているので、今はあんまり考えないようにしてますね。ただ、僕が何が楽しくて音楽をやっているかというと、もう自分の歌を評価して欲しいということでなくなっていて。一人一人の心をどれだけ揺さぶれるかなんです。応援してくださっている方をどれだけ笑顔にできるか。時には、どれだけ泣かせることができるか。自分の音楽を通して、みんなをいろんな感情にさせられることが今の生き甲斐になってます。それが顕著に出るのがライブですね。インターネットを通じてではなく、直接、顔を見ながら歌うことができるから。僕は結構一人一人の顔を見るんですけど、やっぱりいろんな反応があって嬉しいので、そういうのをやりがいにして音楽をやってますね。


——今年の7月11日にはZepp Diver Cityで「Salvia Party 5」を開催しました。

僕、普段はあんまり緊張しないんですけど、久しぶりにお客さんを入れたライブだったということもあって、不思議な緊張感があって。いつもみたいにお客さんが声を出せない状態だという不安もあったんですけど、何回も来てくださっているお客さんもたくさんいらっしゃったので、声だけじゃなくて、心で通じ合えるものもあって。


——MCではファンへの感謝を伝えつつ、「元気の源になりたい」とおっしゃってましたね。

今はそれが全てでやってますね。音楽活動をしていく上で、何度も初心に戻って考える時期があって。一人で色々考え込む時間が多いんですけど、そういうときに客観的にいろいろと物事を考えるんです。今、自分はすごく楽しく音楽をやらせてもらってる。どうして自分は楽しく音楽ができているのかを考えると、生まれ育った環境、両親や友達、スタッフさんの支え、そして、今、応援してくださってる人たち。そういうものが全部合わさって、自分は今、伸び伸びと活動できているんだなっていうことを噛み締める。そういう時間を大事にしてて。それがないと、どんどん突っ走っちゃう気がしてて。それはどうしても避けたいんです。自分一人で突っ走るというよりかは、周りのスタッフさんやリスナーさんと一緒にどんどん階段を上がっていくイメージで進んでいきたいし、リスナーさんを大事にしたいって思ってますね。


——自分のためよりも人のためという気持ちが強いですね。

僕、自分の優先度がものすごく低い人間なんです(笑)。とにかく自分にあんまり優しくできていないというか。自分以外の人が一人でも幸せになれれば、いつでも死ねるって感じ(笑)。でも、最近はよく考えます。もっと自分のためにしてあげないといけないなって。


——アーティストとしては客観視は必要でしょうけど、素の宮川大聖を褒めてあげる時間も必要かなと思いますね。
また、先のライブでは新曲「雨とパラダイムシフト」の初披露もありました。


気持ちよく歌えましたね。毎回、新曲を披露するときは、お客さんの顔を見て、どういう反応をしているのかなって楽しみにしているんですけど、みんな、ワクワクというか、嬉しそうな表情をしてくれていたのが、マスク越しでも伝わってきました。自分は久しぶりのライブで、正直、自信はあんまり無かったんですけど、みんなの顔を見て、安心しながら歌うことができたし、いいライブだったなって思います。


——「雨とパラダイムシフト」ではどんな自分を見せたかったですか。

 この曲に関しては、川谷絵音さんと制作させていただいたのがすごく大きくて。デモの音源を頂いた時に、不思議な感覚があったんですよね。1stシングル「イダテンドリーマー」のように爽やかでもなければ、2ndシングル「略奪」のようにダークでミステリアスなわけでもない。でも、疾走感はあるし、艶やかな色もあるっていう。川谷さんと細かく打ち合わせをしながら書いたわけではないので、川谷さんがどんな世界を思い描いて作っているのかなっていうのを勝手に自分の中で解析しながら歌詞をつけて。だから、自分の中では、この曲はこういう曲だっていうのは、正直、あまりなくて。


——ミュージックビデオも光と色彩が印象的で、曲の意味というよりは、概念とかムードを表現したような映像になってました。

 監督がおしゃれにいろいろ考えてくださったんですけど、自分も大事にしたかった艶やかな色味をライティングで鮮やかに表現してくださって。特に監督と細かく打ち合わせをしたわけではないんですけど、やっぱりそういう曲なんだなって思えて嬉しかったですし、撮影も久しぶりだったので新鮮味がありましたね。今回、特殊な撮影の仕方をしてるシーンもあって。綺麗だなって思いながら撮ってたんですけど、撮影のスケジュールで一番最後に撮るシーンが屋外だったんですね。当日は雨が降ったり止んだりしていたんですけど、屋外の撮影の時にちょうど雨が降ってくれて。MV をより引き立ててくれたんですよね。「雨とパラダイムシフト」っていう名前もあって、合成に見えるかもしれないんですけど、あれは、本当の雨なので、自分持ってるなと思いましたね(笑)。


——そこはもう一回、見直してみますね(笑)。そして、9月24日からはLIVE TOUR 2021「Paradigm」がスタートします。

前回のLIVE TOUR「kaRma」が、粘ったんですけど、結局、中止になってしまって。そのツアーのために準備もかなり万全にしてきたので、自分の中でもかなり悔しくて。準備段階で開催が危うかったんですけど、それでもできることを信じて、ひたすら頑張っていたので、いざ、中止になったときは、来てくれる予定だったお客さんもみんな悲しんでいて。だから、自分が悔しいというよりかは、お客さんを悲しませてしまったことが悔しくてしかたなかったんですね。だから、次のツアーでは、悲しませてしまった分も、みんなに大きい衝撃を与えるようなパフォーマンスができたらいいなと思っていますね。


——中止になったツアーの内容をそのままやるわけではない?

そうですね。その間に自分が得たものもあるし、悔しさをバネにしてぶつけたいものもあるので。また違った表現になってくると思ってます。


——最後に今後のことを聞かせてください。アーティスト活動はどう考えていますか。

リアルなことを伝えると、アーティスト人生を自分の中でグラフ化しながら考えている節があって。こういう活動をしていく上で安定はなかなか難しいと思うので、簡単にいうと、あんまり波が激しいグラフにしたくないんですね。音楽のやり方は人それぞれですけど、自分的には、数字を伸ばすことを目的として作品を作ったりはしたくない。あくまで、自分のやりたい音楽をやる。自分の中では、ちょっと上がって、そのまま平行に進んで、またちょっと上がって、また並行に進むっていうのを繰り返していくグラフにしていきたいなって。そのグラフを保つためには、自分のやりたいことを楽しんでできる環境やモチベーションが大事だなと思ってます。最終的にこうなりたいっていうよりかは、このグラフを大事に保ちながら、みんなと一緒に楽しく活動できたらいいなって思いますね。


取材・文/永堀アツオ



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宮川大聖 LIVE TOUR 2021「Paradigm」
9月5日(日)よりチケット一般発売も開始!

【日程】
9月24日(金)
会場:CLUB CITTA'
17:30 / 18:30
SOGO TOKYO
TEL:03-3405-9999

10月2日(土)
会場:Zepp Nagoya
16:00 / 17:00
サンデーフォークプロモーション
TEL:052-320-9100

10月3日(日)
会場:Zepp Osaka Bayside
16:00 / 17:00
キョードーインフォメーション
TEL:0570-200-888

10月10日(日)
会場:Zepp Fukuoka
16:00 / 17:00
キョードー西日本
TEL:0570-09-2424

10月16日(土)
会場:Zepp Sapporo
16:00 / 17:00
マウントアライブ
TEL:011-623-5555

10月24日(日)
会場:Zepp Tokyo
16:00 / 17:00
SOGO TOKYO
TEL:03-3405-9999

11月7日(日)
会場:SENDAI GIGS
16:00 / 17:00
キョードー東北
TEL:022-217-7788

< イープラス 一般発売 >
受付期間:9/5(日)10:00〜
https://eplus.jp/mykwkn-livetour2021/

< ローソンチケット 一般発売 >
受付期間:9/5(日)10:00〜
https://l-tike.com/mykwkn-livetour2021/

​< チケットぴあ 一般発売 >
受付期間:9/5(日)10:00〜
https://w.pia.jp/t/mykwkn-livetour2021/

全席指定 ¥6,000(税込)

※当日券は¥500(税込)UP
※入場時に別途ドリンク代必要
※4才以上チケット必要(3才以下入場不可)

LIVE・TOUR情報URL
https://www.mykwkn.net/paradigm
 

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